Comparative stick insect midgut transcriptomes paper out

ナナフシ中腸比較トランスクリプトーム論文公開

2021年5月13日、かねてより取り組んできたナナフシの中腸トランスクリプトーム解析の論文が公開された。 アマミナナフシ(Entoria okinawaensis)のmidgut transcriptomeは独自にRNA-Seqで解読し、公共データベースに登録された他のナナフシ7種のデータと合わせて、統合データ解析。 東京農工大学大学院 農学研究院生物生産科学部門 動物生化学(昆虫系)研究室とオーストラリアLa Trobe UniversityのProf Richard J. Simpsonとの共同研究。

De novo transcriptome analysis for examination of the nutrition metabolic system related to the evolutionary process through which stick insects gain the ability of flight (Phasmatodea). https://doi.org/10.1186/s13104-021-05600-0

具体的には、まず普通にアマミナナフシのRNA-SeqデータをTrinityで de novo assemblyして、これまで作ってきた「パイプライン」で機能アノテーション。 それと、他の7種のナナフシのRNAーSeqデータに関してもTranscriptome Shotgut Assembly (TSA)に登録されているものはそれを用い、ないものに関してはSequence Read Archive (SRA)から同じく de novo assembly。 それらの転写単位(遺伝子)とアマミナナフシのそれとの対応をBLASTでとって、対応表を作成。 さらに全ての転写単位に対して発現定量をしてそれぞれの発現強度をTPMで得て、その情報を元にサンプル方向に階層クラスタリングしてヒートマップとデンドログラムを作成。

RNA-SeqのリードをSRAにだけでなく、それをアッセンブルしたデータを上述のTSA、定量した発現値はGenomic Expression Archive (GEA)に登録してある。

The RNA sequencing reads reported in this article are available in the Sequence Read Archive (SRA) under the accession ID DRA007226. The assembled transcriptome sequences are available in the Transcriptome Shotgun Assembly (TSA) database under the accession ID IADO01, and the estimated abundance of transcripts is available from the Genomic Expression Archive (GEA) under the accession ID E-GEAD-295.

そのデータセットを使って、特に翅有り無し、飛ぶかどうかで分けて発現の異なる遺伝子について調べたのが今回の結果。 他にも色々と調べていきたい。

2021年は、これで論文8本目となった。


Written by Hidemasa Bono in papers on 金 14 5月 2021.