drbonobon is a textbook
「Dr.Bonoの生命科学データ解析」は教科書
半年ほど前にも前のブログでも書いたが2017年9月に上梓した本、Dr.Bonoの生命科学データ解析(通称Bono本)に関して、教科書として執筆した ということが伝わってないかもしれないことが、やはり気になっている。
教科書なので、自分なりに咀嚼して、行間を埋めていく必要があるのだ。じっくりと本を読むことで基礎から学んで貰いたいという想いがあったのだが、そうではない人もおそらくは多いのだろう。以前に清水厚志さんと監修という形で上梓した次世代シークエンサーDRY解析教本のような載っているコマンドをそのまま指示通りに打ち込んだら、それができるノウハウ本というか、生命科学分野でよく使われている プロトコール本を求められている のかもしれない。もちろん、そういう方面の展開も考えてはいる。
しかしながら、分子生物学のウェットな実験のように画一的な操作でできるものは、すでにプログラム化されてしまっているのがドライ解析の常。繰り返し同じコマンドで処理する必要は減っているのである。その代わりに、手がける研究によって必要なコマンドライン処理が 多様になってくる (数年前のNatureのCommentでは、Routinely uniqueと上手く表現されている)。そうなってくると、生身の研究者がやるべき操作は 書いてあるとおり ではいかなくなってくるわけである。そういったルーチンワークではないことをどうこなしていけばよいか?そこが今問われていて、その解法の1つが、じっくり腰を据えて教科書を読んで勉強しなおすことではないかと。