代謝ナビゲーション
Dr.Bonoの生命科学データ解析と同じ出版社(メディカル・サイエンス・インターナショナル)から同時に出版された本の一つがこの代謝ナビゲーション。
日本生化学会の代謝マップを元にKEGGのデータを作成するお手伝いをしていた私には要らないでしょうと言われたが、まったくそんなことはない。それをデータベース化していた90年代からの研究の進捗が加味された教科書は、さらに深く代謝を知る上で大変参考になる。例を挙げると、低酸素誘導因子(HIF)による代謝の調節がそれである。第10章「シグナル伝達と代謝」のp176辺りに「酸素とグルコースによる転写ネットワークの調節」の節で、2000年前後から解明が進んだこの分野の知見が綺麗にまとめられている。
より深く知りたい人のための文献として第3章「解糖系」ではKEGGのGlycolysis/gluconeogenesisのURLが紹介されているのは、感慨深いものがある。URLもこの種の教科書の重要なリファレンスとしてリストされるようになったのだ。