Plant & Animal Genome (PAG) XXIII 参加

個人的には、(どちらかというと)ヒトやそのモデル生物において、post-sequencing(ゲノム配列解読後)な研究ばかり見てきたこの十年だったのですが、次世代シークエンサーが広く使われるようになりこれまで解読されていない新規なゲノム配列解読へ応用されるに及び、より見聞を広めるべきと考え、PAG(Plant & Animal Genome)に初めて参加してきた。 丸々5日間の長丁場で、朝8時からTalkが始まり(朝一はplenary lectureなことが多かった)、その後はconcurrentに複数のセッションがさまざまな会場で行われ、夜は8時〜10時ぐらいまであるものも。なので、自分の興味のあるセッションを取捨選択して、あとは体力勝負。時差ボケからくる脳機能の停止と会場の冷房(冬なのにw)効きすぎによる寒さと戦うことに。 初参加の私には興味深い内容が多く、ゲノム配列解読技術が普通に使われるようになり、このPAGのカバーする(とyn氏に教えてもらった)「ヒト以外」の分野におけるゲノム配列解読の進展に舌を巻いたというのが第一番目の感想。 twitterのハッシュタグ#PAGXXIIIを付けたtweetsも多く、twitterによる企業ブースの宣伝や、発表では見せきれないツールやデータベースなどへのポインタ提示に活用されていた。事実、そのハッシュタグのtweetsを流しているディスプレイが人の集まるロビーに設置されていて、これは是非見ならうべきと。しかしながら、会場が広すぎてどこで何をやっているのかが非常にわかりにくかったり(そもそもタイムテーブルがプログラムになくてわかりにくい)、トイレの場所が不案内だったり、会場内に売店等なかったり、超絶メシマズだったり、ポスター会場が2つに分かれていて片方が企業展示会と同じ部屋なのに対してもう一つの方は天井の低い地下でアクセスが悪かったり、すべてが良かったわけではないことも追記しておく。 参加者は全体で三千人超、日本からも農学関係の研究の方が数十人規模で来ていて、その広がりを感じた。かつてバクテリアからヒト(とその古典的なモデル生物)へと対象が移っていたころの「前世紀のゲノム研究」のなかのひとであった自分には隔世の感。NCBIやEBIも主宰のセッション(ワークショップ)を持っていたばかりか、企業ブースにまで出展。そこでyn氏と話し合ったのが、日本のデータベース統合もその活動を世界に紹介する良い機会ではないかと。単独のセンターでは負担も多いでしょうけど、統合DBでまとまって出せば多くの人が参加できて発表したり見聞を広められるはず。その方向で次回、是非検討したい。


Written by bonohu in misc on 土 17 1月 2015.