RefEx論文

NBDC/DBCLSの遺伝子発現のデータベースというかウェブツール、RefExの論文が公表された。 これは2006年に文部科学省統合データベースプロジェクトが始まったときにすでにその原型があったサービスで、さまざまな測定手法による遺伝子発現データを並べてみるというコンセプトでデータを統合する、というものであった。2011年頃から我々で引き継いでやってきており、次世代シークエンサーによるRNA-seqデータも蓄積し、そこに加えてFANTOMプロジェクトによるCAGEデータも出てきて、それらも加えて比較できるよう変更を加えてきた。 FANTOM5で出てきたデータをまとめてScientific DataのData descriptorとして利用可能にしようという話があり(そしてさらに、今回のFANTOM5 collection)、そこにRefExも入れてもらい、今回の論文となった。RefExの論文はData descriptorではなく、Articleというカテゴリーではあるものの、Technical Validationをきっちり書くことや、使ったデータすべてをfigshareにアップ(https://doi.org/10.6084/m9.figshare.c.3812815)することなど、Data descriptorの論文と変わらない要素を求められ、受理までかなりの時間がかかり、大変だった。それでもやはり、論文として出版し引用してもらいやすい形にまとめることはこれだけインターネット全盛の時代になった今でも重要だと身にしみて感じた。 関係者の皆様、おつかれさまでした。そして、これからももっと使われて遺伝子発現データベースの新しい方向性を模索していきたいと思います。


Written by bonohu in misc on 火 29 8月 2017.