RNAseqRecipe for whom

RNAseqレシピ本の想定読者

いよいよ来週末の2019年11月29日に「RNA-Seqデータ解析 WETラボのための鉄板レシピ」(以下、RNAseqレシピ本)が発売となる。

流通の関係で、Amazonでの発売はそれより遅くなるとのこと。 早く手に入れたい方はリアル書店か日本分子生物学会年会会場にてゲットするのが良いだろう。 ちなみに、年会3日目の2019年12月5日(木)に本売場でRNAseqレシピ本を含めた私が編集や執筆でかかわった本の合同サイン会が予定されているので、乞うご期待。

RNA発現定量が手軽になり、多くの人がそれを試してみようとしている2019年現在、この本の想定読者は相当多くいるのではないか? そういう人を念頭にこの本を企画したのは言うまでもない。

簡略版の章立てを以下に示す。

  1. まずはこれだけ!解析環境を整える
  2. データを入手する
  3. 転写産物の発現を定量する
  4. リファレンスゲノムのない生物でde novo解析を行う
  5. 発現変動遺伝子群を検出する
  6. サンプル間の発現変動した遺伝子群の機能を推定する〜エンリッチメント解析
  7. 多数のサンプル間の類似度を比較する〜1細胞RNA-Seqの場合
  8. リードカウント以降の統合解析をウェブブラウザで行う〜iDEP
  9. 論文投稿に必須!データを登録・公開する〜DRA,GEA

断片的な知識はもちろんググって見つけることができる部分も多いと思うが、体系立ててそれを追えるのはこの本が初めてであろう。 特にこの本の力点の一つである3,4,5章はそれを解説している日本語のウェブサイトも多い。 しかしながら、それらの手法を比較し、それぞれの利点欠点を論じている日本語コンテンツはおそらく初めてであろう。 1細胞RNAseqの6章もなかったコンテンツで、RNAseqレシピ本のウリの一つとなっている。 もちろん、データ処理をしてその結果の解釈に使えるツールに関して、6,8章で詳しく書かれている。

それらに加えて、配列データ解析に関わる前処理(データ取得)と後処理(データ登録)のコンテンツも充実している。

まず前者であるが、データ解析環境を整える1章やデータ解析のためのデータを得る方法が述べられた2章はこの種の本ではあまり紙面を割かずにさらっと書かれていたところであろう。 そこをがっつりその道のプロに書いてもらった。 特に、2章の前半はRNAseq配列解読を受託してくれる会社の方に書いてもらった。

また後者に関しても、生の配列データのみならず、発現定量した結果を公共データベースに登録する方法に関する情報も、それを普段やられているプロに9章として書いてもらった。

そういった日本語のコンテンツを必要としている、RNAseqデータ解析を一から始めようという人向けの、まさにレシピ集となっているのがこの本である。 もちろん、UNIXデータ解析環境をもっと深く習得したり、その周辺知識を含めて学びたい場合には、それぞれ道場本Bono本が役に立つと思うので、併せて読むとよいだろう。


Written by Hidemasa Bono in RNAseqRecipe on 土 23 11月 2019.