Statistical Genetics Seminar Book

ゼロから実践する遺伝統計学セミナー

異動する前に出版社の方からご恵贈いただいていたのだが、バタバタで見させてもらうのが遅くなってしまった。 阪大医学部の岡田随象先生による遺伝統計学の教科書。

2019年の秋に「第4回 ゲノムコホート研究における遺伝統計学」セミナーに講師として参加したのであるが、大変勉強になったのを記憶している。

そういうわけで、まだまだ遺伝統計学は知らないことも多く、大変楽しみな気持ちで読ませていただいた。

岡田先生が咀嚼された遺伝統計学の知識が丁寧に書かれていて、大変参考になる。 先生と以前に大阪であった日本癌学会学術集会の際に参加させていただいた懇親会で一度お会いしたことがあるせいだろうか、彼の語り口調で頭に知識が入ってくる感じがした。

コマンドで打つべきところでスペースが必要なところは「豆腐」と呼んでいる■(四角マーク)がDRY解析教本などと同じように採用されており。 コマンドの最後に改行マークを入れて、ここでreturnを押すのだと指示しているのは、なるほど、と。

それに加えて第5章に「プログラミング入門」とかあってどういうことが書いてあるのか、興味津々だったが、主にコマンドラインインターフェースでプログラムを動かすやり方について書かれていた。

第6章でRの使い方が割と厚めに書かれていて。 コマンドに対する逐次のコメントは、そのコマンドで何やっているかがよくわかり、初学者にはとてもありがたいんですよね。 これもRで困っている人にはきっと参考になることだろう。 ただ、実際に使ったRのバージョンを明記した方が良いのではないかと思ったのは、主たる研究分野が異なるが故かな?

ざっと読ませてもらっただけなので、これからもじっくり読みたいと思った。 私にとって、今後も参考にさせていただくこと待ちがないない本だろう。 主に一通り勉強してみたい、実際のデータを自分で解析してみたい、そういう人に最適な本かと。


Written by Hidemasa Bono in misc on 土 09 5月 2020.