VariantRecipe for whom

バリアントレシピ本の想定読者

いよいよ来週末の2020年9月25日に「バリアントデータ検索&活用 変異・多型情報を使いこなす達人レシピ」(以下、バリアントレシピ本)が発売となる。

流通の関係で、Amazonでの発売はそれより遅くなるとのこと。 早く手に入れたい方はリアル書店かY社直販などにてゲットするのが良いだろう。

ヒト培養細胞で実験されている方は、その研究対象の細胞のゲノムが公開されていればもっと研究に役立つのに、と感じることも多いのではないかと。 実はそういうデータがないわけではなく、すでに解読されているのだけれども、ヒト個人の遺伝情報まで解読されてしまっているためにcontrol access下にある可能性が十分にある。 例えば、HeLa細胞のゲノムなどがその典型であろう。 そのような普段からヒト培養細胞を使って、ターゲットはそれぞれにさまざまであるものの「実験」している方にうってつけの内容ではないかと。 ぶち当たったリファレンスゲノムとの違いは、実は生物学的に意味があるものであるかもしれない。 その解釈に役立ててもらえれば幸いである。

そういった多型情報を、公開されているレベルでうまく使いこなし、必要であれば、control accessの情報も使うようにする、という対応が必要となってくる。 その辺りの情報は体系的に得られるものではなく、今現在の状況を断片的に知る形でしか得られない。 バリアントレシピ本は、そういった情報が満載といっても過言でない。

がんの研究をしていてもその変異はこれまでgermlineの多型としてよく知られているものかもしれない。 逆もそうで、がんで知られている変異が参考になる場合だってあるかもしれない。 そのような情報の「引き出し」にこの本で紹介しているデータベースやツールが役に立てば、と。 そのような知のめぐりをよくするところにこの本が寄与できれば、編者としての役割を果たせたことになる。

「多型=カラフル」というコンセプトに表紙をデザイナーさんに描いてもらったのだが、実はそのデザイナーさんはTogoVarのウェブサイトもデザインしている方という、中身をわかっている方がデザインした表紙なのである。

バリアントレシピ本


Written by Hidemasa Bono in RecipeBook on 土 19 9月 2020.