How did I write drbonodojo

どうやって道場本を書いたか?

本日(2019年9月24日)、ついに出版社に印刷された「生命科学者のためのDr.Bonoデータ解析実践道場」こと道場本納品された模様Dr.Bonoの生命科学データ解析(Bono本)の実践書という位置付けの道場本だが、本を書き上げていったやり方は、2年前のBono本の時とは異なるやり方を今回試してみた。

Bono本の著者は私1人であったものの、編集者とのやり取りの即時性、ファイルでやり取りした際に原稿に複数のバージョンが生まれてしまうバージョニングの問題を鑑みて、クラウド(Google drive)を活用した原稿のグループ共有を実践した。 テキスト情報のみならず、本に使う図に関しても、クラウドを使うことでファイルサイズが大きすぎて電子メールで送れない問題を回避した。 また、校正のファイルの受け渡しに関してもクラウドを利用することで、かなりスムーズにデータの受け渡しが行われた。 ただし、最終的なゲラに関しては、実際に印刷した感じがどうなるかということもあって(フォントが画面で見たときや手元で印刷したものだと異なることもあって)、紙に印刷したものを送ってもらってチェックしたのだが。

今回はさらに一歩進めて、原稿はmarkdownで記述し、GitHubを使って編集者と原稿をやり取りすることを試みた。 というのも、ちょうど原稿を書き始めようとしていた2019年の年頭頃にGitHubが無料でプライベートリポジトリを無制限に作れるようになったという衝撃のニュースがあり、これまでずっと公開レポジトリしか使ってこなかった自分もプライベートレポジトリを使ってみようかという気になったというもある。 また、ほぼ同じ頃に公開された世の中の小説作家と編集者は今すぐ Word や G Suite を窓から投げ捨てて Git と GitHub の使い方を覚えるべきだという記事に感化されたのもある。

それで進めたところ、驚いたことに作業効率が非常に良くなった。 Google documentの時と比べ、ネットに繋がなくてもテキストエディタで書き進められるのは大きかったようだ。 ほぼインターネット接続があるところにいるとはいえ、テキストエディタを開くだけで書き進められるのはやはり書き物が進むようだ(少なくとも私は)。 また、Bold体などの飾り文字をつけるなど必要なマウス操作が不要になったことも貢献したのではないだろうか。 markdownだとそれがタグで記述でき、キー操作だけで全てが完結するからである。 さらに、今回は実践本のため、コードやコンピュータ出力が多く、それらをSupplemental materialとしてGitHubで公開するということを目論んでおり、そのためのファイル群を扱うのもやりやすかった。

結果として、2019年5月初頭の脱稿エントリにあるように、4ヶ月ほどで約20万字(マルチバイト文字は1文字として換算)書き上げることができた。 このような試みを許してくれた出版社ならびに担当者に感謝である。 ありがとうございました!


Written by Hidemasa Bono in drbonodojo on 火 24 9月 2019.