Talk on bioRxiv
bioRxivとは何か?@第42回日本分子生物学会年会
約1年前の2019年9月に書いたブログエントリ、BioRxivとは何かがわりと見られているようだ。 そのせいか、第42回日本分子生物学会年会の学会企画、研究倫理委員会企画・研究倫理フォーラムにて「bioRxivとは何か?」と題して話することになった。 ちょうど、1ヶ月後の今日(2019年12月3日)だ。
「研究成果発表のあるべき姿:オープンサイエンス推進の潮流」 日時: 2019年12月3日(火)18:30~20:00 会場:第12会場(福岡国際会議場2階201)
この時間帯の30分をいただいており、講演の要旨は以下の通り。
bioRxiv(バイオアーカイブ)をはじめとするプレプリントサーバの活用が生命科学分野においても急速に広まりつつある。演者も海外での学会発表の前などに複数回研究論文をアップロードしたことがある。しかしながら、その情報の質など問題点も多く指摘されている。そこで本講演では演者の実体験を交えながら、その利点と欠点に関してbioRxivを紹介する。
そのころと比べて、さらにbioRxivへの投稿数も増えている。 そのことは2019年1月のNatureのNews(What bioRxiv’s first 30,000 preprints reveal about biologists)にも出ている。
自分も、今年(2019年)の5月にCold Sprig Harbor LaboratoryであったThe Biology of Genomes 2019に参加する直前にその内容の論文をbioRxivにアップした。
All of gene expression (AOE): an integrated index for public gene expression databases. bioRxiv 626754; doi: https://doi.org/10.1101/626754
また、それ以外の共同研究の論文も2本アップした。
Functional Annotation of Human Long Non-Coding RNAs via Molecular Phenotyping. bioRxiv 700864; doi: https://doi.org/10.1101/700864
Reference transcriptome data in silkworm Bombyx mori. bioRxiv 805978; doi: https://doi.org/10.1101/805978
bioRxiv以外にもBioHackathonの論文が、F1000Researchにプレプリントとしてアップされ、peer review待ちの状態となっている。
BioHackathon series in 2013 and 2014: improvements of semantic interoperability in life science data and services. F1000Research 2019, 8:1677 (https://doi.org/10.12688/f1000research.18238.1)
なお、これらのプレプリントを含めた論文情報は、Europe PMCから検索可能である。 例えば、私の例だとブログエントリ執筆時点で2019年は4本プレプリントをアップロードしていることが検索結果(ヒストグラム)から容易に見て取れる。
このように次第に生命科学研究の世界においてプレプリントは広まり、使われようとしている。 この状況を自らの実体験を元にお話しできれば、と考えている。