Review 2019

2019年を振り返って

もう今年(2019年)もわずかということで、今年の年頭に書いた「2019年の計」に沿って、2019年を振り返ってみたい。

1 公共遺伝子発現DB目次の論文化

AOEの論文化は、結果として二段階で行われた。 まず5月にあったCold Spring Harbor Meeting の The Biology of Genomes 2019で発表する前にbioRxivにプレプリントとしてアップした。

そして、bioRxivの'Submit bioRxiv Preprint to a Journal'から査読誌へ投稿。 いくつかの論文誌に門前払いを食らったのちに、PLOS ONEに8月末に投稿。 2回のrevisionを経て、12月頭にacceptとなって現在出版待ち。 bioRxivのプレプリントの論文はただアップしっぱなしではなく、revisionのたびに修正稿をアップし続けた。 その結果、上記リンクの最新版が最終稿となっているので、PLOS ONEからはまだ出版されてないが、先に読むことが可能となっている。

2 プレプリント(bioRxiv)にアップした公共DBのメタ解析研究のデータ更新、そして査読論文化

これは現在進行中で、revision中。 だが、これもすでにbioRxivに最新稿をプレプリントとしてアップしてあり、そのbioRxivの論文のURL(DOI、https://doi.org/10.1101/267310)でアクセスできる。

それ以外の論文としては、2019年は論文8本(査読あり4,なし4)で確定。 それぞれの研究成果発表に対して出してきた職場などのニュースにあれば、リンクしてあるので、詳細はそちらを。

  1. Cancerous phenotypes associated with hypoxia-inducible factors are not influenced by the volatile anesthetic isoflurane in renal cell carcinoma https://doi.org/10.1371/journal.pone.0215072 関西医科大学 広田喜一さんとの共同研究
  2. Comparative analysis of seven types of superoxide dismutases for their ability to respond to oxidative stress in Bombyx mori https://doi.org/10.1038/s41598-018-38384-8 東京農工大学 天竺桂弘子さんとの共同研究
  3. Apoptosis-mediated vasa down-regulation controls developmental transformation in Japanese Copidosoma floridanum female soldiers https://doi.org/10.1016/j.ydbio.2019.09.005 東京農工大学 天竺桂弘子さんとの共同研究
  4. Superoxide dismutase down-regulation and the oxidative stress is required to initiate pupation in Bombyx mori https://doi.org/10.1038/s41598-019-51163-3 東京農工大学 天竺桂弘子さんとの共同研究
  5. All of gene expression (AOE): an integrated index for public gene expression databases https://doi.org/10.1101/626754 AOE(プレプリント)
  6. Functional Annotation of Human Long Non-Coding RNAs via Molecular Phenotyping https://doi.org/10.1101/700864 FANTOM6共同研究(プレプリント)
  7. BioHackathon series in 2013 and 2014: improvements of semantic interoperability in life science data and services https://doi.org/10.12688/f1000research.18238.1 Biohackathon2013,2014の成果報告論文(プレプリント)
  8. Reference transcriptome data in silkworm Bombyx mori https://doi.org/10.1101/805978 農研機構 横井翔さんとの共同研究(プレプリント)

これらのbioRxivなどのプレプリントを含めた文献検索は、EuropePMCGoogle Scholarで可能となっている。

昨年も書いたことだが、当方、研究グループとしては1人だけであることを考えると、専念義務のある本務以外にプレプリント+査読論文合計8本は頑張ったほうだと思う。 そこは、俺おつかれ、ということで褒めてやりたい。

3 それらを利用した研究を各方面で進め、グラントを獲得できるように

これに関しては、研究代表者で出したグラントの獲得はできず。 来年、引き続き頑張りたい。 ただ、研究分担者として入れていただいた科研費をまたいただけることに。

4 さらにSNSに割く時間を減らし、情報発信を英語と日本語の両方で

twitterに関しては、今年さらにtweet数は減少しており、それにかける時間は減らすことができた。 その空いた時間を本業の研究活動やプロボノ執筆活動に活かすことができたと思う。 すでに詳細はぼうのブログ「2019年に出版した本」にも書いたが、2019年は4冊の本を出すことができた。

英語での発信は、プレプリントという形でできてきたと思うが、それが国際共同研究に発展するところまではまだなので、それが可能となるよう来年以降頑張っていきたい。


Written by Hidemasa Bono in misc on 月 30 12月 2019.