論文の分類学
Written by bonohu in misc on 金 27 2月 2009.
「エレガンスに魅せられて シドニー・ブレナー自伝」エロール・フリードバーグ、エレノア・ローレンス編 p216 より。
「論文は、大まかに3種類に分類される。その一つは我々に何らかの情報を提供するものだ。もう一つは、何の影響も与えないものだ。最後のカテゴリーに属する論文は、私の頭から情報を抹殺する種類のものだ。私は第三の論文は断じて読まないことにしている」
「エレガンスに魅せられて シドニー・ブレナー自伝」エロール・フリードバーグ、エレノア・ローレンス編 p216 より。
「論文は、大まかに3種類に分類される。その一つは我々に何らかの情報を提供するものだ。もう一つは、何の影響も与えないものだ。最後のカテゴリーに属する論文は、私の頭から情報を抹殺する種類のものだ。私は第三の論文は断じて読まないことにしている」
「エレガンスに魅せられて シドニー・ブレナー自伝」エロール・フリードバーグ、エレノア・ローレンス編 p214 より。
知り過ぎることは、研究にとってマイナスになる場合がある。無知の部分をわずかながらも維持することが肝心である。さもなければ、新しい研究に挑むチャンスがなくなるからだ。
統合TVのコンテンツ数が。オリジナルサイトのアップデートによる作り直しも含めてだが。より多くのライフサイエンスに興味のある方に見てもらえるよう、改良を加えていきたい。
「エレガンスに魅せられて シドニー・ブレナー自伝」エロール・フリードバーグ、エレノア・ローレンス編 p209 より。
これが、まさに、複雑な制御機構の遺伝学をやる方法と考える。私は、この方法を「合成による遺伝学」と呼び、従来の「分解による遺伝学」と区別している。これこそ、すべての複雑な問題を解明する方法になると思う。
「エレガンスに魅せられて シドニー・ブレナー自伝」エロール・フリードバーグ、エレノア・ローレンス編 p203 より。
ヒトゲノム研究は、ある種の「巨大科学」工場を作るというよりは、その仕事に興味を持つ優秀な科学者を集めるというやり方をとった。彼らは、ゲノム研究は根本的に重要な生物学だと理解したのだと思う。しかし、思うに、米国人はこのプロジェクトを「商業化」してしまい、つまらない(この言葉しか浮かばない)ものにしてしまった。
丸ビル1Fに恐竜が上陸! ということで某ついでに見てきた。
「エレガンスに魅せられて シドニー・ブレナー自伝」エロール・フリードバーグ、エレノア・ローレンス編 p202 より。
多くの科学者は、このプロジェクトは「巨大科学」になって、科学者が奴隷に成り下がると不満を述べた。そして、もちろん、真意が表面化した。普通の研究資金が「巨額プロジェクト」に回されるのを恐れたのだ。
某プロジェクトでもそれとおぼしきことがあったような。
がらみの質問が個人的に来た。需要は高い模様だが、windowsでそれをやってもらうのはいろいろとややこしい上に応用が利かない気がしている。そこで、KNOBの登場という流れだな、これは。明日から「オープンソースで始めるゲノム・プロテオーム・メタボローム解析」も発売だし。
「エレガンスに魅せられて シドニー・ブレナー自伝」エロール・フリードバーグ、エレノア・ローレンス編 p199 より。
現在、我々は簡単に遺伝子をクローン化して、そのDNA塩基配列を同定することができる。だから、変異体を探す必要がなくなった。そこにある野生型の遺伝子を見つけ、そして、「その野生型遺伝子に欠損を入れたらどうなるのだろう?」という質問をすることができる。これは「逆遺伝学」と呼ばれるが、実は「逆遺伝学」ではなく、「裏返し遺伝学」なのだ。 > > > >
また私の全く別方面での知り合いがつながった。今度は大学時代の友人とポスドク時代以降の知り合いのお弟子さんとだ。研究者の世界は狭い。
「エレガンスに魅せられて シドニー・ブレナー自伝」エロール・フリードバーグ、エレノア・ローレンス編 p201 より。
連中にとっては、それは単なる「仕事」に過ぎないのだ(「研究」ではない!)。彼らは実験データ(塩基配列)には全く興味がない。彼らの興味は給料のみにあり、金曜の夕方には、その金を持って出かけ、ボートやガーデニングなど、彼ら自身の趣味を追いかけたいからだ。 > > > >
私の頭の中で、中身を理解しないでただシステムを作るだけ、という人種と大いにかぶる。いずれにせよ、そういう連中は科学者ではないのだ。
「エレガンスに魅せられて シドニー・ブレナー自伝」エロール・フリードバーグ、エレノア・ローレンス編 p195 より。
1980年代の中頃に、私は、雑誌に投稿した記事の中で、生物科学の歴史は二つの時代に分けられると述べた。前期「BC」は「Before Cloning」(クローニングができるようになる前の時代)を意味し、後期「AD」は「After DNA」(DNAの構造モデルが、ワトソンとクリックにより提唱された後の時代)を示す。
本来のBCとADはそれぞれBefore Chirst(紀元前)とanno Domini(西暦)の略らしい。
わかるかな?
今日は、電力工事によるマシン落とし&起動があったうえに、私は普段滅多にしない(テレビ)会議があってばたばたしていたものの、懸案の某序文も脱稿できた。また新たな再校も明日以降来るらしいので、がんばろう!
「エレガンスに魅せられて シドニー・ブレナー自伝」エロール・フリードバーグ、エレノア・ローレンス編 p194 より。
もう一つの教訓は「心配するな!何か危険な実験を想像しても、自然が、もう既に実験済みだろうから!」ということだ。
ゾロメ。ただ、それだけ。
最寄りの黒猫サービスセンターが藤塚ICのすぐ近くの割と車で行き易いところにあることが判明。そこを皮切りに黒猫→一満天の湯→コーナン→いなげや、の全行程3時間弱。買い物系はこれでしばらく安心。浸透圧と熱のperturbationでいいアイデアも出て、しっかりメモれたし。
昨晩の続きから6/7を昼食前に終え、7/7先ほど終了。今日の便に間に合いそうった。
ATMに行ったついでについ釣られた。行く前にネットで見ていてあれば買おうかと思ったら、最後の一個だったし。美味かったけど。
「エレガンスに魅せられて シドニー・ブレナー自伝」エロール・フリードバーグ、エレノア・ローレンス編 p182 より。
しかし、単なる心理的な議論から離れて、ガラクタをゲノム上に残すか、捨てるかを決める進化における自然選択力について理解する必要がある。(中略)ガラクタは取ってきたいくずで、ごみは捨てるべきくずだ。だから余分なDNAは、定義上、ごみではなく、ガラクタなのだ。ごみだったら、ゲノムに残っていないだろう。
この章は短いのだが、未来の火種を見つけてしまった。とりあえず編集者に任せよう、ということで。
「エレガンスに魅せられて シドニー・ブレナー自伝」エロール・フリードバーグ、エレノア・ローレンス編 p176 より。
理論には必ず生化学的な実在可能性が考慮されていなければいけない。いろんなことを、非常に洗練された数理的方法で出来ることは事実だ。しかし、実際の生物系で、その現象が起きるのに、70年もかかるとしたら、それは生物現象とは関係ない。これが、論理的な正しさと真実との違いだ。多くの理論家は、この違いを区別できない。事実、多くの理論は、論理的には正しいが、我々が興味を持っている自然とは全く関係のない空論である。
一つやっつける。するとすぐに返事が来て、pre再校。そして、それもすぐに了承。もちろん、片方は雑誌の1articleで、もう片方はちゃんとした本ということもあるけれども、電子的にやり取りする方がやっぱり仕事が早いということを再認識。
ichanも書いていますが、こういう本がもうすぐ書店に並ぶ。査読等に協力したということで一足先に献本いただく。まだ市場には出回っていないのでamazonへのリンクもないが、出版社のサイトに情報あり。amazon:9784274067563
という方針に変わりはないということを結局確認しただけだった。「支援」するのに「ツールを作る」ことしかやらないのは…。お互いにとって不幸な結末しか待っていないような気が経験上非常にする。大変な思いをしてデータを出す、という経験をしないとその辺はきっと判らないんだろうなぁ。
が今度は電子メールとともにやってきた。訂正等はPDF中にコメントとして残して電子メールで返送してもよいと。自分で書いた文章&わずか6ページなのでさっとみれるものの、二つ抱えているということはやはり気が重い。
「エレガンスに魅せられて シドニー・ブレナー自伝」エロール・フリードバーグ、エレノア・ローレンス編 p173 より。
「そんなやり方でコンピューターを使いたくない。コンピューターは我々の主人ではなく、助手に過ぎないからだ!」 「非常勤(臨時雇いの)コンピューター」という新語を発明したのは、この時だった。ここで「非常勤」とは、「必要に応じて使用される」という意味である。
凄いコンピューターがいるのだからそれを使った研究をしろというような、コンピューターに使われるような研究はしたくないものだ。
「エレガンスに魅せられて シドニー・ブレナー自伝」エロール・フリードバーグ、エレノア・ローレンス編 p171 より。
実にばかばかしい話だ。現に進行中の研究を説明するために、何か準備が必要とは、何を研究しているのか本当に分かっていないことを意味するからだ!
そういう人は普段何考えているんだろう?
「エレガンスに魅せられて シドニー・ブレナー自伝」エロール・フリードバーグ、エレノア・ローレンス編 p167 より。
「あなたの研究室の構成はどうなっていますか?」と聞かれると、私はこう答えることにしている。「いわば七人の侍のような集まりだよ」研究を前進させるために一丸となった、単なる有志の集団だった。
七人の侍を集めた研究室。そうあるべきだと私も思うのだが…。
「エレガンスに魅せられて シドニー・ブレナー自伝」エロール・フリードバーグ、エレノア・ローレンス編 p144 より。
「今、我々には素晴らしい遺伝学の道具がある。それを使って、もっと複雑な問題に立ち向かえないだろうか?」
使うのは「研究費」じゃなくて、「自分」の「脳」と「手」ですよ。
「エレガンスに魅せられて シドニー・ブレナー自伝」エロール・フリードバーグ、エレノア・ローレンス編 p133 より。
位相を他の人とずらして研究することが、科学をやる上で最上といつも信じていた。つまり、波長の半分、先に進むか、遅れるかだ。どちらでも構わない。位相をずらし、新しい研究ができるスタイルを堅持する限り。